12月議会一般質問①「女性の自立支援の取組について」

2022年5月に「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律」が成立し、2024年4月に施行されることになりました。この新法では、女性をめぐる課題が生活困窮、性暴力、DVなど、複雑化、多様化しており、新たな女性支援強化を喫緊の課題としています。府中市は、今年度、新たな組織編成を行い、女性支援については新たに創設された「多様性社会推進課」が担うことになりました。
地域では、生活困窮だけではない、DVや、子どもの不登校、自身の体調不良など、複雑な問題を抱える女性も多く、現状のニーズに合った女性支援の充実を求めて質問をしました。

市は平和や人権、男女共同参画、都市間交流など一体的に推進する部署として、市民協働推進部に多様性社会推進課を設置しました。男女共同参画社会の推進は、男女共同参画センター「フチュール」が拠点施設となって担っています。女性問題相談件数は過去3年間で、令和元年度1,098件、令和2年度928件、令和3年度1,294と増えており、課題としては、本当に支援が必要な女性に対し情報が届いているのか把握できていない点があるとのことでした。

コロナ禍では、非正規雇用の雇い止め、ひとり親家庭の困窮、DV被害の増加などが明らかになっていますが、市が新たな組織編成後に、男女共同参画の取組みで拡充した点が、ワーク・ライフ・バランスの改善に向けた取組みと生理用品の無料配布では、市の男女共同参画や人権としての発想があまりに乏しく、市民の逼迫した状況とはかけ離れた施策になっています。地域に目を向けて、困難な状況から抜け出せない女性に向き合った支援を、新たな組織ができたこの機会に取り組むことを強く要望しました。

男女共同参画推進の拠点である「フチュール」において、若い人も利用できるような就労に向けたキャリアアップ講座や、キャリアカウンセリングなどを行い、フチュールを活用する人を増やしていくことができるよう環境整備を求めました。相談事業は、弁護士相談などの専門相談を設けることや、性自認や性的指向に関する相談窓口をつくるなど、新しい組織のもとで多様性社会を推進していくための抜本的な取組みの変革も求めました。

若年女性については支援制度がなく、自立への支援が届かないことが社会的な課題となっています。エンパワーメントを引き出すような相談体制の拡充と、自助グループなど当事者の活動を支援する新たな取組みが必要です。
女性支援新法は、基本理念として、当事者の意思が尊重されること、福祉が増進されるよう多様な支援を包括的に提供する体制を整備すること、関係機関及び民間団体の協働により早期から切れ目なく支援が実施されること、人権の擁護を図るとともに男女平等の実現を掲げています。
府中市でも、女性の自立支援体制を整えるための環境整備と人員と予算の拡充を行い、人権に関わる施策に重点を置いた女性支援の取り組みができるよう、令和6年の女性支援新法施行までに、段階的に実効性のある計画を作っていくことを要望しました。