9月議会で「小・中学校でのタブレットを活用した 学習について」一般質問をしました
国が進める「GIGAスクール構想」を受けて、府中市でも2020年に一人一台のタブレットが小中学生に配布されました。5年間で19億1千900万円が費やされ、今年度は、キーボードを取り外すことができタッチペンも装備された新しいタブレットに更新され、新しい学習教材ソフトを使って、デジタル学習が進められています。
府中市の小中学校における、タブレットを活用した学習の現状と今後の方向性について一般質問をしました。
タブレット端末を活用した学習の目的は、児童・生徒一人一人の学習状況や進度に応じた「個別最適な学び」と、多様な他者と協働しながら学びを深める「協働的な学び」の実現を目指しているとのことでした。学校では、学習内容や目的に応じてデジタル教材と紙の教材を適切に組み合わせて学習を進めており、端末の利用時間は午前6時から午後10時までに設定し、危険なサイトへのアクセスや不適切なダウンロードを行わないことなども指導して、学校と家庭が連携して児童・生徒の適切で安全なタブレット端末の利用を促しているとのことでした。
しかし答弁を伺って、デジタル学習を進めるにあたり、ICT活用の研修、指導資料の活用など、タブレット端末を活用した個別最適な学びへの支援においては、教員や学校経営支援員の負担は大きいと感じました。
また、「家庭での学習の充実を図る」としてタブレットを持ち帰って宿題をすることが増えていますが、保護者からは「充電やパスワードの管理に配慮が必要とされる」「視力が低下した」などの声も聞かれます。子どものSNS利用時間の増加が社会問題になっている今、健康面やデジタル機器の適切な使い方の管理も求められ、家庭の負担感は増加しています。
国では「教科書のデジタル化」に向けた議論が進んでおり、府中市でもデジタル教科書を用いた授業が試行的に取り組まれていますが、デジタル学習を先進的に取り組んできた欧米では、運動能力や読解力の低下、学習能力の向上を妨げていることが明らかになり、デジタル学習から「紙への回帰」が進んでいます。社会がデジタルやAIの活用に向かっている今、子どもたちの環境は激変し、大人を取り巻く環境に影響され、幼少期からデジタル環境の中にいる「デジタルネイティブ」として、動画やSNSなどで「ディスプレイ」を見る機会が増加しているのが現状です。そういった環境の中で、学校教育においてまでも、ディスプレイを通した教育が進められています。コロナ禍以降、デジタル学習の推進が加速していますが、今のタブレット端末を活用した学習については一度立ち止まり、検証が必要ではないかと、今回一般質問をしました。
タブレット端末の家庭への持ち帰りは見直しを求め、学校の先生方にはデジタル学習のスキルではなく児童生徒に向き合うことこそ必要であり、タブレット端末はあくまで補完的なものとして位置付けるよう要望しました。

奥村さち子