3月議会一般質問

3月議会では「訪問介護における府中市の人材確保」について一般質問をしました。

深刻な介護の担い手不足
「医療と介護は在宅で」という国の方針のもと、府中市では、自宅で介護と医療を受けられる体制強化を図ってはいるものの、「訪問介護」の担い手であるホームヘルパーは不足していて、サービスが受けられず生活に困っている人がいます。人材不足は深刻で、昨年の全国の訪問介護事業所の倒産件数が67件と過去最高を記録しています。そのような中、今年4月の介護保険制度の改正では、「訪問介護」の報酬が引き下げられ、ホームヘルパーの給与は上がらず離職がさらに加速すると言われています。在宅で訪問介護を必要としてもサービスが受けられない高齢者が増えることや、ケアラー(家族など無償で介護を担う人)の負担が増え、さらに追い込まれることにもなりかねません。その危機的な状況に対して、市はどういった政策を持っているのかを質問しました。
市は、「訪問介護が不足しているため、人材不足の解消に向けた取り組みが必要」という見解でしたが、具体的な人材確保策はなく、「人材不足は全国的な課題なので、国や東京都の動向を見て対応していく」という消極的な答弁です。また、市内の介護事業所の赤字状況を認識しているものの、「改正後に、事業所の状況を見ていく」として、市が主体的に実態把握や、支援策を進めていく考えはありません。

市内の訪問介護事業所に話を伺いました
「訪問介護」には自宅に訪問し、入浴や排せつ、食事などの介助を行なう「身体介護」と、買い物や掃除、食事作りなど日常生活の支援を行なう「生活援助」があります。「支援の時間が短く設定されていて、訪問に回る移動時間が多い。国の介護報酬は少なくてやりくりが大変」「ホームヘルパーの高齢化で、離職が多い。賃金を上げられず、若い人の雇用が進まない」など、現場の状況は深刻です。

介護保険制度の理念は、介護を社会全体で支えることを目的とした「介護の社会化」でした。1人で生活することが困難になった時に必要な支援が「訪問介護」です。自治体には、市民が安心して介護が受けられる地域づくりが求められます。
3月議会の一般質問では、訪問介護の実態を国に訴えること、市独自の人材確保の取り組みと事業所支援を進めることを求めました。また、府中市内の訪問介護の詳細な実態調査と把握と分析を、地域包括ケアシステムの推進に照らし合わせ、その実現が可能なのかを見定め、高齢になっても安心して暮らし続けられる介護保険制度の保障を、自治体として責任を持って取り組んでいくことを市に求めました。