6月議会一般質問報告② 「空き家」をまちづくりの拠点に!
「空き家問題」は全国的な社会問題となっており、国は2021年3月に住生活基本計画を改定し、空き家の多様な利活用の促進を目標に掲げ、東京都では空き家対策に向けた区市町村に対する技術的支援、財政的支援の拡充を進めています。
府中市でも居住目的のない空き家が増加しており、2020年度からは「空き家利活用等相談事業」を開始し、協定先の団体に空き家所有者の相談をつなげていますが、利活用の実績は2年間で「売却」につながった2件だけです。
日野市では、空き家の所有者と活用を希望する団体をつなげる、マッチング事業を行なっています。市が活用を希望する団体に活用の提案を募り、応募があれば市が空き家の所有者に提示します。所有者が話を進めたい時は、市は両者の顔合せの場を設ける等、活用に向けた仲介を進めています。現在は、NPO法人や自治会、学生、地区社協などの11団体が空き家を活用し、地域住民が立ち寄れる活動拠点として、人の繋がりや、地域の防災力の強化など、まちの新陳代謝と活性化につなげています。
日野市の空き家マッチング事業で、空き家を団体の事業の拠点とし、さまざまな地域活動も行っている「一般社団法人共に働くワーカーズえんこらしょ」に訪問しお話を伺いました。空き家活用にあたっては、所有者と活用団体と市の3者で、それぞれの意向を確認しながら丁寧に話し合い、「空き家地域貢献活用」の補助金を利用して改修を行ないました。今秋からは日野市が行なう地域のたまり場「ふれあいサロン」の開催場所として、地域の方の交流の場ともなるそうです。地域に必要な居場となり、空き家対策とまちづくりの相乗効果が生まれていると感じました。
府中市では今年度、市内全戸を対象とした「空き家実態調査」を実施し、空き家が荒廃する前に、空き家を、売却、賃貸、そして市民活動の場としての利活用を推進していくとのことです。今回の調査を活かして、空き家の所有者には多様な利活用についての情報を発信し、意向を確認することと、地域活動の場づくりに向けたマッチング事業を、市が主体となって行なっていくことを要望しました。