「介護保険・介護予防に関する調査報告会」に参加しました
2024年7月から10月に、NPO法人市民シンクタンクひと・まち社と生活者ネットワークなどが連携して、介護保険制度20年を検証する調査活動を行ないました。介護保険料は制度ができた25年前と比較すると約2倍になり、一方で、地域に根ざし在宅での介護を支える訪問介護事業所は厳しい運営状況が続いています。10月10日に行なわれた、都内自治体、地域包括、訪問介護事業所の調査結果の報告会に参加しました。
介護保険制度の問題点についての講義を元淑徳大学コミュニティ政策学部長教授の鏡諭さんから受けた後、認定NPO法人市民シンクタンクひと・まち社が作成した調査報告書の内容の説明がありました。
私からは「訪問介護事業所の運営に関する実態調査」を報告しました。
ヘルパーの人材不足の問題で、介護依頼を断っている事業所は8割で、赤字の事業所は約半数です。
介護サービスの利用者の調査の報告では、一人暮らしや老々介護が増えていること、買い物、掃除、入浴、外出や通院介助などの生活全般の支援が求められていることがわかりましたが、受け皿となる事業所は介護サービスを提供できず、保険料を支払っていてもサービスを受けられないという状況があることが明らかになりました。
報告書には、地域包括支援センターと、自治体の介護保険と介護予防の取り組みについての調査報告もあり、「介護が必要になったときに、使える介護保険制度」にするため、どこを立て直す必要があるのかを検証できる資料になっています。
介護保険は国の制度ですが、実施主体は「自治体」です。高齢期の暮らしを支えるための政策として、住民の実情を把握していくべきは自治体です。介護が必要な人にとっても、介護が必要な家族がいる人にとっても、自治体の介護保険のあり方は生活に影響します。必要な時に使える介護保険制度にするために、自治体への政策提案を続けていきます。

訪問介護事業所の運営に関する実態調査報告(奥村さち子)

介護保険・介護予防に関する調査報告会